美と健康を両立させるダイエットの提案と挑戦

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ダイエットの帝王《FITBULL 桑原和也》

水抜き(ドライアウト)で1日-3キロに成功『減量の限界とポイント・方法』

皆さん、こんにちは。

理学療法士

現役ベンチプレス選手

の桑原和也です。

この記事をご覧になっている方は、

階級制のスポーツをしている

どうしても短期間で体重を落としたい!

水抜きで体重を落とす実践方法を知りたい!

という方が、多いのではないかと思います。

今回は、

水抜き(ドライアウト)で1日-3キロに成功『減量の限界とポイント・方法』

というテーマで、私が実際に1日で-3キロの減量に成功した方法とそのポイントについてお話ししたいと思います。

実は、”水抜き”に関しては前回の記事でも少し触れています。

私は、今回の大会への減量として、短期間での水抜きを選択しました。

通常は、最低でも1ヶ月ほど前からゆるやかな減量に取り組み、リミット体重まで余裕を持って落としておくことが最も望ましいですが、

私の場合は最後までパフォーマンスの向上を目指したかったので、74キロ級というリミット体重に対して、大会1週間前の時点で77キロという体重でした。

今回はじめて行った”水抜き”での減量方法とその経験から学んだことをお伝えさせていただきます。

この記事を読むメリット
ドライアウト(水抜き)が何かを学べる

ドライアウトの危険性を理解できる

実際のドライアウト実践記録を見ることができる

ドライアウトのやり方、スムーズな方法を知ることができる

このようなメリットがあります。

もし、検量が迫っているアスリートの方がいましたら、ぜひご参考にしてくださいね。

水抜き(ドライアウト)のメリットとは?

ボクシングやK-1、柔道、レスリングから、重量挙げ選手までたくさんのスポーツや格闘技で階級制度が存在しています。

自分の階級に出場するには、決められた日時にそのリミット体重(例えば、74キロ級であれば74.0キロ以下)をクリアしておかなければなりません。

では、なぜ多くのアスリートが”水抜き”を選択するのでしょうか?

まずは、そのメリットについて考えてみたいと思います。

水抜きのメリット

パフォーマンス・モチベーションを維持できる

↳脂肪を落とす減量ではどうしても筋肉量も落ちてしまうため、減量が進むにつれて体が小さくなり、またパフォーマンスが低下してしまいます。

また、日に日に小さくなる体にモチベーションは下がっていきます。

水抜きは、一時的に体内の水分を排出し、体重を下げることにより検量をパスするという方法なので、ギリギリまで強度の高いトレーニングをすることができ、また大きい体を維持することでモチベーションも保つことができます。

短期間でリミット体重まで落とすことが可能

↳通常、大きな減量や階級を下げる場合であれば、1~3ヶ月かけ徐々に体脂肪を落としていきますが、水抜きの場合であれば、長くても一週間、短ければ1日以内という短期間で減量が可能です。


私は、1日前から水抜きをはじめて体重を約3キロ落とすことに成功しましたが、今までしてきた減量に比べて遥かに楽でした。

そういうことから、通常の減量に比べ身体的・精神的なストレスは比較的少ないといえます。

大会後のトレーニングにスムーズに入ることが可能

↳水抜きでは、筋力の低下がほとんどないため、大会後にトレーニングを再開した場合も、高いパフォーマンスを維持することが可能です。

以前、私が大会に向けて6週間で12キロの減量を行ったとき、大会後に大幅にパフォーマンスが落ちてしまい、その後、筋肉量を戻すのに6ヶ月以上を要しました。

しかし、水抜きの翌日のトレーニングでは自己ベストと同様のパフォーマンスを維持できていることからも、

水抜きで一時的に水分を体外に排出し、脱水状態を作ることによって体重を軽くするという方法は、階級別スポーツにおいて高い効果を発揮する、ということが言えます。

このように、階級別スポーツにおける水抜きには大きく3つのメリットがあることが伺えます。

では、次に水抜きの方法についてみていきましょう。

 

水抜き(ドライアウト)の方法は?

水抜きにはいくつか方法がありますが、基本的には『体から水分が出ていけば、それでOK』です。

その際、ポイントになるのは

水分が出ていくスピード


そして、

自分に合っている方法かどうか

という2点です。

そして、一般的によく使われる方法が以下です↓

水抜きで使われる方法断水
↳断水とは、水分を摂取しないこと。

水抜きを始めたらよっぽどでない場合を除いて、基本的には水を飲むことは禁止です。もし喉が渇いて辛いときは、水でうがいをしてしのぎます。


ランニング
↳ランニングは、全身から汗が噴き出ますし、ランニングによっても0.1キロほど体脂肪が落ちる(700kcalを消費した場合)ので、おススメです。

ただし、ボクシングなどと違い、大会当日に検量がある場合は、疲労が溜まりやすいのであまりおススメできません。
その場合は、私のように30分~45分までにするのがおススメです。
また、サウナスーツを着ながら走れば、汗の出が格段に上がります。

サウナ
↳サウナは、水抜きの定番方法です。
水風呂に入ったり、休憩所で横になって体力を回復したりしながら行えば、2~3時間で2キロ以上の水抜きが可能です。
ただし、サウナは体にかなり負担になるので、やりすぎには注意しましょう。

唾はき
↳ガムやアメを口に含むと、唾液が出ます。要は、その唾液を出すことで汗をかかずでも体内の水分を排出することが可能なのです。
一回一回の量はごく微量でも、何十回~何百回と繰り返すことで、500ml以上の水抜きが可能です。ポイントは、味が無くなったらすぐに新しいガムを食べる、アメを舐めることで唾液がたくさん出ます。

半身浴
↳半身浴はみぞおち~それより下ほどの水位でお湯の温度は40~43ほどがおススメです。
あまり汗をかいていないように感じても、かなり汗をかいているのと、一度汗をかき始めたらなかなか止まりません。
半身浴に入る際もサウナスーツを着るというやり方もありますので、それも選択肢に入れて良いでしょう。
おススメは、休憩を挟みながらの半身浴で、温冷交代浴です。
半身浴に5分浸かって、1分冷たいシャワーを浴びる、というように熱いお湯と冷たい水を交互に浴びることにより、血管の収縮・拡張が促され、血流が改善するので汗をよくかきます。

睡眠
↳睡眠中も不感蒸泄といって、汗腺から汗をかいています。
夜眠りについてから朝起きるまでに数百mlの汗をかいているので、寝るだけも水分を排出しています。
水抜き中は睡眠時間も確保して、しっかり減量活かしましょう。

利尿剤・下剤
↳私は、今回の水抜きで下剤のみ使用しましたが、利尿剤を使うという手もあります。
また、紅茶やコーヒー、お茶など利尿作用のある飲み物を数日前からとっておくのも良いかもしれません。
ただ、この手の薬を使う場合は、リスクもあるため、できれば医師に相談することをおすすめします。

今回、私は7つの方法すべてを行って、たった1日で-3キロに成功しました。

ベンチプレス(パワーリフティング)では、

一発検量ではなく時間内検量のため、

決められた時間内に既定の体重をクリアできれば検量パス

というシステムになっています。

今回の近畿クラシックベンチプレス選手権大会は、7/10で、その前日となる7/9の朝には、体重は約76.8キロでした。

朝から仕事に行き、昼前に早退、ジムに直行しました。

すでに断水を行っているので、早速12時ごろに体重を計ってみる→76.5キロ

※残り約2.5キロです。

ストレッチ+ランニングを45分程度行う→76.2キロ

※ランニングは汗を出すには効果的なので、もっと走りたかったのですが、翌日が大会ということを考えれば、腰~下肢の筋肉痛を起こす可能性のあるランニングは軽めに切り上げた方が無難という考えから、短時間にとどめました。

サウナ30分(休憩を挟みながら)→75.9キロ

※私は、サウナが非常に苦手なので水抜きをする場合にもあまりやりたくない方法です。実際に、サウナに入っていた時間は20分程度だと思います。

自宅に帰ってから、下剤を飲む(コップ200ccほど)→76.1キロ

※14時頃に帰宅し、この時点で水を飲むのは精神的にきついのですが、水分が無くなってくると排尿・排便が少なくなってくるので、腸の中を出来るだけカラにしておくことを考えて下剤と水分を飲みました。

3時間ほど睡眠→76.0キロ

※通常、一晩寝て翌朝に小便をすると1キロ以上落ちていることを考えれば、ほとんど体重減がありませんでした。

ガムを噛み、唾はきスタート

※ここからは、ガムでの唾はきを休憩以外ずっと行っています。

唾はきと下剤の効果が現れる→75.8キロ

※この時点ですでに夜になっており、実際かなりの焦りがありました。

夜22時~24時まで半身浴+唾はき→75.1キロ

※次の日のために睡眠はとりたいのですが、75キロ以上ある状態ではゆっくり眠れないので、75キロになったら寝ようと思っていました。2時間ほどの半身浴ですが、湯船につかるのが苦手なため休憩はたくさんとりましたが、水抜きによる体重の落ちは半身浴がかなり効果的なことが判明。

24時~翌6時までは睡眠→75.0キロ

※睡眠で0.1キロ減りました。

朝の6時~8時まで再び半身浴+唾はき→74.5キロ

※朝の8時には、自宅を出発し会場に向かいたいので、2時間ほど休憩しながら半身浴を行い、リミット体重の74キロまで約0.5キロ!

猛暑の中、車内は暖房ガンガンで窓を閉め切り、【パッチ+腹巻+サウナスーツ+ウィンドブレーカー】+唾はき→73.75キロ

※検量が11時20分にありましたので、ひたすら小便(ほとんど出ません)+唾はきを繰り返し、検量へ。

見事

73.75キロで一発合格!

検量をパスしてからも大きな問題が残っています。

まずは、リカバリー、そしてウォーミングアップです。

水抜きを行ったからといって、急に水をガバ飲みしてしまう人がいますが、まず吐き出すか下痢になります。

体内はナトリウムとカリウムが拮抗関係にあり、

〇ナトリウムは水分を保持する役割がある
〇カリウムは水分を排出する役割がある

上記の理由により、先に塩分(ミネラル)を摂取しないと水分を体内に留めて、コンディションを回復させることはできません。

私の場合は、リカバリーに1時間をかけました。

①はじめに塩と水を混ぜて、少しずつですが500ml摂取(15分ほどかけてゆっくり)

②次に、アクエリアスを10分ほどかけて500ml摂取

③BCAAを混ぜた水分500ml摂取

④クレアチンを10gほど摂取し、300mlほど摂取

⑤45分ほどかけて水分を体内に戻していき、ゆっくり食事開始

水抜きに慣れているアスリートは、水抜きだけで1日~3日で5キロほどの減量が可能で、その後にハイパーリカバリーでコンディションを整えることができるそうです。

しかし、

水抜き=脱水

ということを考えれば、水を排出すればするほどコンディションは悪くなり、体にも相当の負担をかけます。

水抜きは、メリットだけでなく大きなデメリットとリスクを抱えています。

水抜きで減量を行う場合は、必ず注意する必要があります。

 

水抜き(ドライアウト)の限界とリスクとは?

では、水抜きによる減量は、どれぐらいのが限界なのでしょうか?

また、体にはどのような影響が出るのかについてみていきましょう。

水抜きは脱水(高張性脱水)なので、臨床で使用されている基準をご覧ください。

脱水症の臨床的相関(体重に対する水分量はすべて青少年の場合)

軽度:水分欠乏量→体重の3~5%
・症状:頬粘膜のわずかな乾燥,喉の渇きの高まり,尿排出量のわずかな減少

中等度:水分欠乏量→体重の5-10%
・頬粘膜の乾燥,頻脈,尿が少量か全く出ない,嗜眠,眼および泉門の陥没,皮膚ツルゴールの低下

重度:水分欠乏量→体重の10%以上
・中等度と同様の徴候に加えて,速くて弱い脈;涙液欠乏,チアノーゼ;呼吸促迫;毛細血管再充満の遅延;低血圧;斑状の皮膚;昏睡

上記のように、脱水の重症度により症状が異なり、脱水が進むにつれてその症状は重くなります。

そのため、人により差はありますが、人間の約60%~70%は水分でできていて、自分の体重から考えて、何キロなら無理なく水抜きを行なえるかを決めなければなりません。

最も危険なのが、

自分の体重の比率ではなくリミット体重をクリアできるまで水抜きを行うことです。

プロボクシング業界では7.5%以内の水抜きが推奨されており、それ以上であれば命の危険もあるので絶対にやめましょう。

海外のプロアスリートで検量までに10%の水抜きを行ってから、ハイパーリカバリーで完璧に戻してくる選手もいるようですが、彼らは今までの経験や知識に加え、栄養士・トレーナー・コーチ・ドクターもついた中で行っているので環境が異なります。

私の場合は、体重が約77キロでその内の60%が水分だとした場合、

77(kg)×0.6(%)=46.2kg(水分)の内2.8ℓの水分を排出したので、およそ6%の水分が体内から失われた計算になります。

つまり、私の場合は体に深刻な悪影響を及ぼさずに水抜きできる量は3キロまでと考えるのが妥当です。

そこから逆算すると、大会一週間前の時点で77キロまで落としておかなくてはならないことになります。

このように無理な減量にならないように、検量1ヶ月前からスケジューリングをしておくことが望ましいのではないでしょうか?

 

究極の水抜き方法とポイントとは?

では、最後に究極の水抜き方法とそのポイントについてお伝えしておきたいと思います。

その究極の水抜きの方法は

ウォーターローディング

です。

ウォーターローディングとは、スポーツの世界で注目されている水分補給方法で、試合前の一定期間、毎日1~1.5ℓの水を摂取することで、体を常に水で満たしておく方法です。

試合中、発汗により水分を失っても運動能力の低下を防ぐことができるというのが本来の目的なのですが、実は水抜きでも応用することができるのです。

さらに、カリウムとナトリウムのバランスをあえて崩すことによる水分排出の促進も合わせることで、さらに楽に水抜きを行うことができますので、ご紹介しておきたいと思います。

スーパーウォーターローディング①塩分は1週間前から減らし、野菜や果物をよく食べるようにします。1週間前から少しづつ水分をとる量を増やします。

②検量3日前は、塩分摂取を0にし、カリウムの多い野菜・果物を多くとります。水分は通常の3倍ほどとります。(一度に飲む量は250mlまで)

③検量2日前は、塩分摂取0で野菜・果物を中心に栄養をとります。水分は通常の2倍をとります。(一度に飲む量は250mlまで)

④検量1日前は、塩分摂取0で野菜・果物を少量、利尿作用のある紅茶やお茶などの水分をとり(1.5ℓ程度まで)、ここから水分を一気に落としていきます。

※ウォーターローディングにより、水分を大量に排出する能力が高まっていることに加え、ナトリウムに比べカリウムが高いのでより水分を排出しやすくなっています。

ただし、実施は自己責任でお願いします。

次回は、75キロほどの安全な範囲から、このスーパーウォーターローディングでどれだけ体重が落ちるか実験してみます。

もし、「ドライアウト」「ダイエット」に関するご相談・ご質問があれば、下記のLINEからお願いします。

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水抜きの方法とポイント

いかがだったでしょうか?

今回は、水抜き(ドライアウト)で1日-3キロに成功『減量の限界とポイント・方法』についてお話しさせていただきました。

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桑原 和也

名前:桑原和也。 職業:理学療法士、プロダイエットアドバイザー、介護施設運営コンサルタント。 プライベート:現役ベンチプレス選手(近畿大会準優勝)。 臨床で5年間経験を積み、3000人以上の患者を治療する。 「美と健康を両立させるダイエットの提案と挑戦」をテーマに、自身のダイエット経験、理学療法&スポーツの知識を生かし100人以上をダイエット成功に導く。 2018年にFITBULLを立ち上げ、一般の方から現役アスリートまで幅広く治療をし、体型に悩む多くの女性にダイエット&ボディメイクの指導をする。 その傍ら、介護施設の運営コンサルタントとして赤字企業をわずか3ヶ月で黒字に転換させる。 現在は介護サービスの利用を希望しても最低1~2ヶ月待ちの大盛況。 「治療」「ダイエット&ボディメイク」「介護施設コンサルタント」を主軸に個人・企業の規模を問わずサービスを提供している。

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プロフィール


桑原 和也 / Kazuya Kuwahara
理学療法士 / プロダイエットアドバイザー / 介護運営コンサルタント
1988年6月生まれ。大阪府出身。


はじめまして!
桑原 和也と申します。
このブログは

「体型に悩む方のダイエットを手助けしたい」

という思いをきっかけに始めました。

世の中に様々な情報が溢れる中、

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・最新のダイエット情報
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