22Mar
以前から、日本人は欧米人のような肉食民族よりも腸が長いと言われてきました。
というのも、穀物が主食の食生活を送っている日本人は食物繊維をよく摂取しているため、消化・吸収・排泄に時間がかかるため腸も長いとされていたからです。
しかし、食生活が徐々に欧米化してきた今日、消化器系も欧米化してきているのではないかとささやかれるようになりました。
また、腸は消化・吸収・排泄だけしかできないと思っている方が多いかもしれませんが、1億個もの脳細胞が存在し、脳からの信号がなくとも機能することができる、ということから”第二の脳”と言われています。
腸を整えることで様々なメリットがあることが判明しており、便秘に悩んでいる方はぜひこの機会に腸に関する知識を身につけ、頑固な便秘を解消しましょう。
今回は、
頑固な便秘をすぐに解消するには?【便秘の原因】と【腸の整え方】
をテーマにお話させていただきます。
☑知らず知らずのうちに腸に負担をかけている?
便秘や下痢など、腸の不調を自覚している方は少なくありません。
実際、薬局には便秘を解消する薬や食物繊維などがたくさん販売されています。
しかし、腸の不調に気づいていても腸に負担をかけていることに気付いていない方が多いのです。
そこで、どんなことが腸に負担をかけるのかをご説明したいと思います。
腸に負担をかける12の行動
①朝食を食べていない
↳国の統計によれば、朝食を摂らない人が、20歳代の男性で24%、20歳代の女性で25%に認められます。腸の大蠕動は、朝に最も強く起きるので朝食を摂らないと大蠕動が起きにくくなって排便の機会を逃すとされています。
②食物繊維の摂取量が少ない
↳食物繊維は、排便に直接関係する重要な要素です。栄養調査の統計では、1日に3食食べている女性の食物繊維摂取量が1日当たり13.2gに対し、1日に2色の女性では食物繊維の摂取量が11.4gまで減少するようです。
1日に1回~2回しか食事を摂らない方は食物繊維が含まれる食材を積極的に摂るようにしましょう。
③炭水化物をあまり摂らない
↳私も経験がある炭水化物抜きですが、炭水化物を含む食材の多くは、食物繊維を多く含んでいるので炭水化物抜きダイエットを行うと食物繊維の摂取量が低下してしまいます。便秘予防の観点から考えるなら、炭水化物の摂取を見直すべきといえます。
④野菜や果物、きのこ、海藻をあまり食べない
↳野菜や果物、きのこ、海藻などの食物繊維を豊富に含む食べ物を摂らないと当然、食物繊維摂取量が低下してしまいます。特に果物は、果糖=糖分のイメージが先行しているため果物を好んで食べる若者が減っていると言われています。
⑤魚よりも肉を好んで食べる
↳欧米人のように肉類をたくさん摂取すると消化・吸収のための胆汁酸の分泌が活発になります。腸内で分泌されてできる二次胆汁酸のうちのある成分が大腸がんを誘発する危険性があると指摘されており、WHO(世界保健機構)も、大腸がんのリスクファクターとして赤身の肉を挙げています。
⑥水分の摂取量が少ない
↳『水太り』や『水毒』という言葉が浸透したように、あえて水分の摂取を避ける女性が増えています。例えば、むくみでは水分の摂取量を減らすと体内で水分を保持しようとするため、さらにむくみを助長することになります。
水分を制限することは、腸に負担をかけるだけでなく便を必要以上に硬くし、便秘になりやすくなってしまいます。
⑦外食やジャンクフードをよく食べる
↳外食やジャンクフードは、食物繊維が少なく脂肪が多い傾向にあるため、日ごろからこれらをよく食べる人は、慢性的に食物繊維の摂取量が減少している可能性があります。⑧トイレを我慢することが多い
↳朝一の排便の大蠕動は20~25分程度持続するといわれ、そのタイミングを逃すと排便の機会を失うことになります。また、仕事上トイレに行きづらいとトイレに行きたくても我慢することが多い人は、便秘になりやすい傾向にあります。
⑨下剤を長期間使用している
↳便秘だからといって、下剤を使用している人は知らず知らずのうちに腸の運動障害が起こっている可能性があります。便秘に対する下剤の使用は、あくまで『対症療法』であるということを認識しましょう。
⑩運動不足
↳WHOは、大腸がんのリスクファクターとして、運動不足を挙げています。また、運動不足は腸の蠕動運動を停滞傾向にしてしまうため、病気で寝たきりになると便秘になる人が多いのです。
⑪睡眠時間が短い
↳胃の中が空っぽになると、十二指腸から『モチリン』というホルモンが分泌され、モチリンには腸の内容物を肛門の方へ送り出す蠕動運動を促進する作用があります。睡眠不足になるとモチリンの分泌が減少し、結果的に排泄までの時間が遅延する結果を招くことになります。
いかがでしたか?
上記の行動が当てはまっていればいるほど便秘体質ということになります。
あなたはいくつ当てはまりましたか?
☑下剤を長期間使うのは危険!?
『排便がしづらい』、『慢性的に便秘に悩まされている』という方がたくさんいらっしゃいます。
しかし、安易に下剤を使用するとかえって便秘が悪化することをご存じですか?
センナ、ダイオウ、アロエに含まれるアントラキノン系下剤は、日本国内で販売されている下剤の約70%を占めるほどの売れ筋商品です。
また、便秘に有効とされている漢方製剤のほぼすべてにダイオウが含まれています。
このアントラキノン系下剤を長期間使用していると、その代謝産物が血流に乗って大腸まで届き、大腸の粘膜の下に沈着することが判明しています。
その結果、大腸メラノーシス(大腸黒皮症)を起こすことがあり、アントラキノン系下剤を長期間服用している人の腸の中を大腸内視鏡で見てみると色素沈着を起こしていることが認められると大腸内視鏡検査のスペシャリストで腸の第一人者である松生恒夫先生がおっしゃっています。
実は、この色素沈着は大腸の腸内神経叢にも入り、腸の運動障害を起こすことが指摘されているのです。
さらに危険なのは、長期間便秘に悩まされてアントラキノン系下剤のを使用していた慢性便秘症の人が急に使用を中止すると、その後排便が困難になるケースが多々報告されています。
このように、排便が困難になることを恐れアントラキノン系下剤を手放させないばかりか、徐々に服用量が増え、なんと1日50~100錠も飲んでいるという人もいるほどで驚かされます。
もし、上記のことが思い当たる方は、出来るだけ早く病院で相談することをお勧めします。
☑便意の消失と便が腸内に留まることよる体への悪影響は?
『便意の消失』と聞いてもピンとこない方もいるでしょう。
もともと正常な腸では、直腸に便が流れると副交感神経がそれに反応して直腸反射が起こるため、便意を感じます。
便意を感じると脳から命令が出て、肛門括約筋が弛緩し、便が排出されるというメカニズムになっています。
しかし、肛門括約筋のうちの外括約筋は自分の意志で抑制できる随意筋ですので、自分の意志で排便を妨げることが可能です。
こうして、排便という本来の機能に反すり形で便意をコントロールしてしまうと、次第に命令系統が上手く機能しなくなり、便意が消失してしまう場合があります。
特に女性に多く、この『便意の消失』や便意の減弱をきっかけに下剤に手を出してしまうことが少なくないようです。
そして、便秘による体への影響も忘れてはいけません。
『便秘=お腹が張って辛い』というだけではないのです。
便が体外に排出されていないということは、老廃物が体内で留まっている状態を指します。
これは、体に様々な悪影響を与えてしまいます。
便が腸内で留まることよる体への悪影響
①肌荒れ
↳便秘が続くことにより、インドール、スカトールなどの老廃物が発生し、皮膚に悪影響を与え、肌荒れの原因になる②冷え性
↳代謝が衰えると細胞の活動や血流が滞り、皮膚が冷えやすくなる③肥満
↳新陳代謝の低下により脂肪が燃焼しにくくなり、太りやすくなる④体臭
↳アセトン体の影響で肌荒れが起きるとともに体臭が強くなる
上記のように便が滞ることで体に様々な悪影響を与えてしまうのです。
また、腸の調子が悪くなり、機能が低下することで腸関連リンパ組織の免疫機能が低下してしまい、病気に弱い体質になってしまうことも挙げられます。
☑オリーブオイルで腸を整えることができる?
腸を整える方法は色々ありますが、最も簡単に腸を整えることができる方法がオリーブオイルを摂取する、という方法です。
その理由は、オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸は一時的に多く摂取した場合、小腸で吸収されにくく、腸管内に残るという特徴があるからです。
オリーブオイルは、腸管内のすべりをよくし、腸を刺激するため排便を促す効果があるのです。
また、日本人は食の欧米化により大腸がんが増えているのですが、
オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、悪玉コレステロールを減らすだけでなく、がんの元となる過酸化脂質の抑制に効果があるということが判明しています。
今回は、頑固な便秘をすぐに解消するには?【便秘の原因】と【腸の整え方】についてお話させていただきました。
桑原 和也
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