4Feb
いよいよ、ジャパンクラシックベンチプレス選手権大会がもう目前まで迫ってきたのですが、現在調子が芳しくなくピリピリムードです。
というのも近畿で3位になってから初めての全国大会なので、パフォーマンスを上げて挑みたいのですが、どうも調子が下り坂で減量時期とも重なりモチベーションが下がっています。。。
クレアチンをローディングしながら、なんとか日本ベスト8以上に入れるよう本番で150kg以上を成功させたいところです。
筋肉をつけたり大きくすることは単に代謝が上がるだけでなく、スポーツをしている人にとってはパフォーマンスを上げる重要なポイントになります。
しかし、筋肉をつけることは非常に難しく、筋トレの方法、食事量・栄養バランス、睡眠が上手く噛み合わないと筋肉はつきません。
私は、365日大なり小なり筋肉痛がありますが、パフォーマンスが上がり続けることはありません。
アスリートである以前に理学療法士、つまり”運動のプロ”という立場において、筋肉をつけることがいかに難しいかを実感しています。
日々、理学療法士の学生を指導していますが机上の空論ばかりで耳にタコが出来そうです。笑
そこで、自分の復習もかねて、今回は
筋肉のつけ方【筋肉が成長するメカニズムと筋肉の収縮の種類】
について書かせていただこうと思います。
筋肉を何としてでもつけたい方は必ずチェックしてくださいね。
ダイエット中の方は、前回の【ダイエット中に食べてはいけない食べ物7選】も同時にご覧ください。
☑筋肥大のメカニズムとは?
筋肥大とは、平たく言うと『筋肉が大きくなり強くなる』ことです。
基本的には、筋力は筋断面積に比例するため、筋肉が大きければ大きいほど強い力が生まれます。
また、人間の体にはストレスが加わるとそのストレスに耐えられるように適応する能力が備わっています。
つまり、【人間は状況や環境に応じて進化していくことができる】のです。
例えば、骨は衝撃や振動を繰り返し受けることで硬くなり、心肺機能は何度も負荷をかけることで向上します。
同じように、筋肉も繰り返し負荷を受けることでその負荷に耐えることができるよう適応し発達します。
これを筋肥大といいます。
バーベルやダンベルでトレーニングをしていると当初は重く回数がこなせなかったのに、日に日に軽く感じるようになり、回数を多くこなせるようになるのは筋肥大が深く関係しています。
つまり、ウェイトトレーニングや無酸素運動は、この筋肥大のメカニズムを利用しているということになります。
筋肥大のメカニズムを簡単に説明すると
①筋肉に対し『強い張力の発揮』『筋繊維の微細な損傷』『無酸素性代謝物の蓄積』などのストレスをかける
⇩
②上記のストレス因子により脳からテストステロン(男性ホルモン)をはじめとする各種ホルモンが分泌され、筋肉の修復、筋肥大が誘発される
⇩
③ホルモンの作用により、筋肉の成長が促され筋肥大(筋繊維が太くなり、筋断面積が大きくなる)が起こり筋力が向上
☑筋肥大を誘発するストレスについて
筋力トレーニングで最も大切なことは【筋肉に太くなる必要性を感じさせるストレスを与える運動を行うこと】です。
筋力トレーニングの効果を引き出すには、筋肉に与えるストレスが非常に重要なファクターであり、筋肉をつけるために必要なストレスは大きく分けて4種類あります。
では、筋肉を成長させ、筋肥大させるストレスとは一体何なのでしょうか?
①強い筋力(筋張力)の発揮
↳筋肉が強い筋張力を発揮すると、それがストレスとなり、筋肥大を促すシグナルとなる。
筋肉を構成する筋繊維は、瞬発系の速筋と持久系の遅筋に分けられるが、速筋の方が筋肥大しやすい。
しかし、人間の体は筋張力を発揮するときに、遅筋から動員する性質があるため、速筋にストレスを与えるためには、筋肉に大きな負荷を与える必要がある。
②筋繊維の微細損傷
↳大きな負荷に対し、筋肉が筋張力を発揮して収縮(筋収縮)すると、筋肉には微細な損傷が生じる。
この損傷も筋肥大を促すシグナルとなる。
これは損傷によって起きる免疫反応などを経て、筋繊維の元となるサテライト細胞の増殖が促されるため。筋繊維の微細な損傷を得るには、エキセントリック収縮も有効です。
③無酸素性代謝物の蓄積
↳筋肉が収縮すると、乳酸や一酸化窒素といった無酸素性のエネルギー供給にともなう代謝物が体内に蓄積する。
その蓄積がストレスとなり、成長ホルモンやテストステロン(男性ホルモン)など筋肥大を誘発するホルモンの分泌を促す。
④筋肉の低酸素状態
↳筋肉に力を入れた緊張状態が続くと、筋肉への酸素供給が不足し、筋肉が低酸素状態となる。
酸素が足りない状態では、主に酸素を使ってエネルギー代謝を行う遅筋が動員されにくくなるため、筋肥大しやすい速筋が優先的に動員される。
また、酸素が不足することによって無酸素性代謝物の蓄積も通常より多くなる。
上記、④つのストレスを筋肉に与えることにより、理論上筋肉は成長し肥大します。
つまり、筋力トレーニングを行う際は、上記4つのストレスが複合的に作用することで筋肉をつけることができます。
筋肉をつけたい、大きくしたいと考えている方はぜひ頭に入れておいて下さいね。
☑筋肉の収縮の種類はいくつある?
筋肉は、収縮(力が入る)にいくつか種類があります。
筋肉をつけるためには、それぞれの収縮を上手く活用しなければなりません。
筋肉の収縮には③つの種類があります。
①求心性収縮(コンセントリック収縮)
↳筋肉が重りに対して力を出すために、筋肉自体が実際に短くなる収縮様式
②等尺性収縮(アイソメトリック収縮)
↳筋肉が重りに対して力を発揮するが、筋肉の収縮はあるものの筋肉の長さが変わらず関節運動を伴わない収縮様式
③遠心性収縮(エキセントリック収縮)
↳筋肉が重りに対して力を出すが、筋肉は短くならずに反対に伸ばされる収縮様式
筋肉の収縮の種類は、上記の他にも一定の負荷を定速で動かす場合の等張性収縮や関節の動きを一定にした等速性収縮などもあります。
ちなみに上記の③つの筋収縮時の筋肉にかかる負荷は高い方から遠心性収縮>等尺性収縮>求心性収縮となります。
☑効果的な筋トレ方法とは?
では、最後に効果的に筋肉をつけていくための筋トレ方法なのですが、
『皮下脂肪を落とし絞った体にしたい』、『筋肉を大きくしたい』『体幹を鍛えたい』など、人によって目指す体は違うと思います。
今回は、最も筋肥大をしやすいとされている方法とポイントをご紹介させていただきます。
①8~10回で限界となる高負荷で筋トレを行う
↳以前から、様々な研究が行われ筋肥大に効果的な回数は8~10回(8~10RM)であると報告されています。8~10回連続で行えるレベルは、最大重量の75~80%に相当し、すべての種目での基本回数になります。
例えば、10回以上の低負荷・高回数で行うと筋持久力効果がある反面、筋肥大効果が減少してしまいます。
②一つの種目を3セット~5セット行う
↳筋トレでは、一つの種目を複数回行うことが基本となります。
最低3セットを行うことにより、狙った筋肉にしっかり負荷をかけることができるため筋肥大効果が期待できます。
セット数が3セット以下の場合、運動のボリュームが足らず筋肥大効果が低下します。
③限界まで筋トレを行う
↳筋トレにおいて高い筋肥大効果を得るためには限界まで筋肉を鍛え、余力を残さず限界まで追い込むことが基本になります。
先ほどご説明した3セット~5セットを終了するのに合わせて限界が来るように調節しましょう。
④セット間のインターバルは30秒~3分まで
↳セット間のインターバルは、30秒~3分と短めに設定するのが最も効果的とされています。
筋肥大を促すためには、『成長ホルモン』が一つのカギを握っており、セット間のインターバルが短い方が成長ホルモンの分泌が増えることがわかっています。
しかし、休憩が短すぎると筋肉の回復が追い付かず、以降のセットで回数が減ってしまい運動のボリュームが少なくなるので30秒~3分の間で上手く調整するようにしましょう。
⑤反動を使わず関節をフルレンジ(全可動域)で行う
↳筋トレで、反動や代償運動を使って回数をこなしている人をたまに見かけます。
反動を使ったり、代償運動を使っていると関節の可動域が狭くなるだけでなく、狙った筋肉に負荷が十分かからないこともあるため、ゆっくり全可動域を使い関節を動かすように心がけましょう。
ただし、最後の2~3回できっちり追い込み切る”チーティング”は有効です。
⑥大筋群を動員する多関節種目を中心に筋トレを行う
↳一つの関節を動かす種目よりも、複数の関節を動かす”多関節種目”を中心にトレーニングを行うことで大きな主動作筋だけでなく、主動作筋を補助する小さな補助筋群も鍛えられるため、出来るだけ複数の関節を動かす”多関節種目”を取り入れるようにしましょう。
今回は、筋肉のつけ方【筋肉が成長するメカニズムと筋肉の収縮の種類】についてお話させていただきました。
桑原 和也
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