20Dec
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生活習慣病である糖尿病は、食生活が欧米化したり、食べ物不足が解消された現在、昔よりも確実に増えています。
ここで言う糖尿病は、子供や若い人に急激に発症するⅠ型糖尿病ではなく、遺伝的要因に高カロリーな食事や運動不足が原因で肥満が加わったⅡ型糖尿病です。
炭水化物や甘いデザート、油で揚げたものなどを中心に偏食を続けていると、徐々に血糖値のコントロールができなくなり、その結果、『インスリン分泌量の低下』や『インスリン抵抗性の発現』などにより糖尿病になってしまいます。
以前は、【糖尿病や肥満=高カロリーな食事=贅沢=裕福】という認識が一般的でしたが、最近の調査で実は所得と肥満の関係性が明らかになってきました。
そこで、今回は
”貧乏は太る”は本当か?【糖尿病(肥満)と所得の関係】
をテーマに糖尿病(肥満)と所得の関係についてお話したいと思います。
☑所得の差は健康面の格差に関係している?
実は、厚生労働省が公表した2014年の国民健康・栄養調査では全国約5400世帯を無作為抽出し、約3600世帯から有効回答を得ました。
摂取品目を詳しく尋ね、所得と食生活の関係を調べたのは初めてだそうで、調査の結果、”所得が低ければ低いほどパンや米などの穀類の摂取量が増え、肉や野菜は減少する傾向がある”ことが明らかになりました。
スーパーで並んでいる食材を見ても、米やパンなどは安価ですが、野菜や肉はそれに比べ高価ですよね。
これは、私の経験なのですが、2015年7月に開催されたベンチプレス大会前の6週間、炭水化物を大幅に減らして、その分野菜・肉・魚・大豆・乳製品、プロテインの摂取量を増やしたのですが、この6週間の食費は5万円を超えました。(通常は2~3万円です。)
この6週間で『いかに炭水化物の値段が安いか、そして、安いパンや惣菜などは安い油や添加物などを使用し栄養価が低い』ということを再認識しました。
☑肉や野菜は穀類に比べ高級品?
厚生労働省の調査の結果、パンや米、麺など穀類の1日当たり平均摂取量は所得により差があり、穀類、肉、野菜の摂取量比較は下記のような結果になっています。
男性の場合(1日当たりの穀類の摂取量)
〇世帯所得600万円以上:494g/1日
〇世帯所得200万円~600万円未満:520g/1日
〇世帯所得200万円未満:535g/1日
女性の場合(1日当たりの穀類の摂取量)
〇世帯所得600万円以上:352g/1日
〇世帯所得200万円~600万円未満:359g/1日
〇世帯所得200万円未満:372g/1日
男性の場合(1日当たりの野菜の摂取量)
〇世帯所得600万円以上:322g/1日
〇世帯所得200万円~600万円未満:288g/1日
〇世帯所得200万円未満:253g/1日
女性の場合(1日当たりの野菜の摂取量)
〇世帯所得600万円以上:313g/1日
〇世帯所得200万円~600万円未満:284g/1日
〇世帯所得200万円未満:271g/1日
男性の場合(1日当たりの野菜の摂取量)
〇世帯所得600万円以上:122g/1日
〇世帯所得200万円~600万円未満:111g/1日
〇世帯所得200万円未満:101g/1日
女性の場合(1日当たりの野菜の摂取量)
〇世帯所得600万円以上:83g/1日
〇世帯所得200万円~600万円未満:78g/1日
〇世帯所得200万円未満:74g/1日
上記のように、所得が低ければ食事の比率として野菜や肉類などの高価な食材が減り、安価な穀類の摂取量が増えていることが分かります。
これらを踏まえると、【糖尿病や肥満=高カロリーな食事=栄養価が低い=食費が安い=裕福でない】つまり、”糖尿病=貧乏病”という認識が広がりつつあるのかもしれませんね。
昔に比べ、ジャンクフードを食べる機会も増えたことで肥満になる人が増えていますし、塩分を摂り過ぎる(和食は塩分が多い)ことによる胃がんが減り、肉(牛肉)の摂り過ぎによる大腸がんが増えてきていることも考えると、食生活の変化が日本人の健康に大きく影響していることが分かります。
景気が悪くなれば肥満が増えるとするなら、世界的に見て肥満の割合が低い日本は、やはり裕福な国民が多いのかもしれませんね。
今回は、【”貧乏は太る”は本当か?】をテーマに糖尿病(肥満)と所得の関係についてお話させていただきました。
桑原 和也
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