10Dec
「酢」ってよく「体が柔らかくなる」「飲むと痩せる」とか言われますよね。。。
一般的に、
「酢」=「体に良いもの」
と認知されているでしょうし、どのご家庭にもあるものです。
実際、1日に大さじ1~2杯(15ml~30ml)程度の量を摂取することで、
「高血圧・高血糖・脂質異常の予防、脂肪を体内に溜めにくくなる」
という結果も確認されており、もはやその健康上の効果は疑いようがありません。
また、疲れた体に「疲労回復」効果もあるとされているため、「酢」を主体とした健康食品を毎日口にしている方も多いはずです。
実は、最近「酢」ではなく「黒酢」の注目度が上がってきています。
というのも、黒酢は酢よりも健康面への効果が高いのではないかという話が世の中に広がりつつあり、それと同時に「どんな効果があるの!?」と気になっている方が多いのです。
そこで今回は、そんな気になる
【黒酢のダイエット効果・美肌効果とその他の健康面への効果は本当にあるのか】
ということをテーマに、体の専門家である私が黒酢の効果について詳しくご紹介していきたいと思います。
☑そもそも黒酢って何?
まずはじめに、”黒酢とは”という部分からご紹介しておきます。
”黒酢”という言葉は最近になってよく健康番組や通販なんかで見かけるようになったように感じるのですが、実はその歴史は古く、江戸時代から庶民に親しまれきた食材のひとつで、主に調味料として使用されていたようです。
最近では、健康や美容への効果が注目されている黒酢ですが、黒酢と一般的な酢の違いはどこにあるのでしょうか?
黒酢は、一般的な酢の黄色に比べ、米や大麦を原料に発酵と熟成を経て褐色・黒褐色のような深みのある琥珀色になりますが、アミノ酸の量が米酢の5倍、穀物酢の10倍以上も含まれているため、一般的な酢よりもまろやかで上品な味わいになっています。
こうした違いは、原料や製造法の違いによって生じます。
大麦などの穀物を原材料として使用しているものを穀物酢と言いますが、精米を主な原料としている酢と異なり、黒酢は玄米や精米度が乏しい米を主な原料として醸造されています。
☑酢の効果・効能は?
酢全般の効果・効能の鍵を握る成分がとしては酸味の元である「酢酸」なのですが、黒酢に至っては他の酢よりもアミノ酸の濃度が非常に高くなっています。
下記は、通常の酢の効果・効能です。
✔ダイエット効果
→酢酸には、肝臓での脂質合成(脂肪を蓄える)を抑え、燃焼を促す作用が期待できます。
酢を飲み続けることにより体脂肪が減ることが報告されていて、また食事の際に酢を一緒に摂取することによって食べたものが胃から腸へとゆっくり流れていくため、食後の血糖値上昇が緩和され、脂肪を蓄える効果を持つ、膵臓のランゲルハンス島β細胞の「インスリン」の過剰な分泌を防ぐことができます。
食事のたびに酢を摂取している人は、そうでない人に比べ太りにくく痩せやすいということなのです。(Biosci. Biotechnol.Biochem )
✔冷え性改善
→酢を摂取した後、体がポカポカした経験はありませんか?
実は、酢を摂取すると、血管の内側の細胞から血管拡張物質である「一酸化窒素」が出てくるため、血管が広がり、血流が良くなり、冷え性改善効果が期待できます。
✔︎疲労回復
→酢の疲労回復効果は、運動のエネルギー源であるグリコーゲンが酢の効果によって素早く体に補給されることに関係しています。
そのため、運動後や仕事後に食事や栄養補給の際に、合わせて酢を摂取することで疲労回復効果を期待することができます。
✔生活習慣病・メタボ予防
→「酢を飲むと血圧が下がる」ということを一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、酢に含まれる酢酸には血圧を上昇させるホルモンの働きを穏やかにする作用があります。
血圧を正常化する効果だけでなく、肝臓での脂質の合成(脂肪を蓄える)働きを抑える効果、食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果もあるため、生活習慣病・メタボ予防や改善に効果が期待できます。
このように、一般的な「酢」にもたくさんの健康上の効果があります。
ダイエット効果や冷え性予防は女性に喜ばれますし、疲労回復、生活習慣病・メタボ予防は世の働くお父さんや不健康な方にとっては嬉しい効果ですよね。
実は、黒酢にはご紹介した4つの効果以外にも女性に喜ばれる効果があります。
その効果によって、黒酢は女性のためのスーパードリンクと言われるほどになっています。
では、その効果の謎について迫っていきたいと思います。
☑黒酢にはD-アミノ酸が豊富に含まれている?
先ほど、「アミノ酸の量が米酢の5倍、穀物酢の10倍以上も含まれている」とお話しましたが、黒酢の嬉しい効果は、このアミノ酸が深く関係しています。
例えば、
一般的な酢には冷え性改善効果(血流改善)があるとお話しましたが、黒酢のアミノ酸は血液の中の赤血球の柔軟性を向上させ、血液をサラサラにする効果があると言われています。
実は、黒酢に含まれる「D-アミノ酸」が非常に強力な効果を持っています。
一般的に言われるアミノ酸は、この「L体」を指していて、体内に存在しているアミノ酸も全てがL体です。
実は、「D体」のアミノ酸(D-アミノ酸)は自然界には存在しないという説が有力だったのですが、微生物、植物、哺乳動物などにおいて、様々なD-アミノ酸が存在していることが明らかになりつつあります。
D-アミノ酸は、野菜や果物、牛乳、米など、さまざまな食品に含まれていますが、特に含有量が多いのは、黒酢をはじめとする発酵食品、熟成食品です。
発酵食品・熟成食品の代表といっても良いチーズ、ヨーグルト、日本酒、ビール、ワインなどに多く含まれ、D-アミノ酸は”味”にも関係していることが明らかになっています。
同じ種類のアミノ酸でも「D体」と「L体」では味が変わるとされ、D体は甘みの元になることが多いようです。
といっても、D-アミノ酸に関する研究は比較的新しくこれからの分野ですので、これからさらなるD-アミノ酸の研究報告があるでしょう。
☑黒酢には美肌効果・アンチエイジング効果はあるのか!?
では、そんなD-アミノ酸が含まれる黒酢にはどんな効果・効能があるのでしょうか?
✔美肌効果
→皮膚にもD-アミノ酸が存在していることが報告されていますが、黒酢を摂取すると、黒酢に含まれるD-アミノ酸が内側から肌まで届いて美肌を作り出すとされています。
その理由ですが、
肌に水分を取り込む「天然保湿因子(NMF)」の主成分であるアミノ酸は、すべてL体と考えられていましたが、最近の研究でD体も含まれていると発表されました。
黒酢を摂取し続けると「肌のD-アラニンの量が増え、角質の水分量も増えた」という結果が出ています。(フレグランスジャーナル)
つまり、加齢とともに減少する肌の潤いを維持・改善できることが判明したのです。
✔アンチエイジング効果
→人の皮膚には、D-アスパラギン酸をはじめ4種のD-アミノ酸が含まれていることが分かったのです。
D-アスパラギン酸には、強い抗酸化作用があります。
「角質のD-アスパラギン酸は加齢とともに減少する」ということが報告されていますが、ある研究でD-アスパラギン酸は肌の弾力に関わるコラーゲン繊維を丈夫にする働きがあることが確認されました。(バイオインダストリー)(フレグランスジャーナル)
また、細胞の老化を防ぐ睡眠ホルモン「メラトニン」の合成や分泌を促し、D-セリンは脳内の神経伝達物質を促す作用があります。
つまり、加齢による衰えが黒酢を摂取すると内側と外側の両方のアンチエイジングになるということが期待できるのです。
ちなみに、黒酢の摂取量は1日に15ml~30mlなのですが、酢は酸性のため、原液のまま飲んでしまうと胃や腸などの消化器系に負担をかける可能性があります。
そこで、5倍ほどに薄めて飲んだり、最近では黒酢サプリメントやなどが流行っているため、そちらを購入してみるのもアリです。
また、酢の本来の役割(料理の調味料)として料理に入れて、食事と一緒に摂取するという方法もおすすめです。
いかがだったでしょうか?
今回は、【黒酢のダイエット効果・美肌効果の真相は?健康への影響はあるのか?】をテーマに最新のアンチエイジング効果も含めてお話させていただきました。
桑原 和也
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