8Feb

前回は、『脂肪を体に溜めない痩せるためのポイントとは?(年末年始で食べ過ぎて太った方必見!)』をテーマにお話しさせていただきました。
『飲み会が多くて太った。』
『ついつい食べ過ぎてしまう。。。』
『社会人になってから体重増加が止まらない』
という方は、ぜひご覧くださいね。
最近、『食物繊維の摂取量が減っているので、野菜をもっと食べましょう。』というフレーズをたまに目にします。
確かに、野菜の一日摂取量を十分満たすほど摂れていない方は多くありません。
しかし、寿命を縮めている肥満や糖尿病などを改善するために、現代人が積極的に摂取しなければならないのは穀物の食物繊維です。
そこで今回は、最近よくトピックスであがる
【食物繊維の効果・効能】
についてお話しさせていただきたいと思います。
☑️穀物の量を減らすことで逆に太りやすくなる?
食事をした際、血糖値を上げているのは糖質です。
糖質の摂取量を減らせば血糖値は上がりにくくなり、余ったエネルギーである糖を脂肪に変えて体内に取り込むホルモンである【インスリン】の分泌量を抑えることができ、ダイエット効果、糖尿病予防効果が期待できます。
主な糖質源となる主食の量を減らしたり、極限な場合には全く食べない『糖質制限』は未だに根強い人気があり、私も過去に糖質制限に取り組んで、実際にダイエットに成功した経験があります。
糖質を含む食品を食べた後の血糖値の上げやすさの指標となるグリセミック・インデックス(GI)と糖尿病の発症のリスクの関連を調べた調査では、”高GIのものを食べている方が糖尿尿のリスクが高い”という報告があり、実際にGI値を低く抑えた食事療法で糖尿病治療に取り組んでいる病院もあります。
たしかに、お菓子やジュースに含まれる砂糖のような糖質の摂りすぎには注意が必要ですが、デンプンをはじめとし、食物繊維を豊富に含んだ穀物の摂取量を減らし過ぎるのは良くありません。
主食となる穀物の摂取量を減らすと、食物繊維の摂取量も減る傾向にあり、年々、日本人の穀物摂取量が減っていると危惧されています。
食物繊維は、『一日どのくらいの量をとるのか』とともに『何からとるか』も重要なポイントになることが分かってきました。
『食物繊維をとろう!』と考えたとき、野菜や果物を思い浮かべる方も多いと思いますが、様々な調査の結果、野菜や果物の食物繊維より、穀物から摂取する食物繊維である【穀物繊維】の方が、ダイエットや糖尿病予防効果が高いということが最近、判明してきました。
ある調査では、2,834人の成人男女について、CTスキャンで調べた腹部の脂肪量と、全粒穀物、精製穀物それぞれの摂取量との関係を調べた。
その結果、全粒穀物の摂取量が多いほど皮下脂肪も内臓脂肪も少なく、精製穀物の摂取量が多いほど、皮下脂肪と内臓脂肪が多いという結果に。
つまり、よく糖質制限や炭水化物ダイエットでは、穀物繊維の摂取量が大幅に減ってしまうことで人体に悪影響をもたらしてしまうのです。
では、食物繊維の効果•効能とは、一体どのようなものなのでしょうか?
☑️食物繊維の種類と効果•効能とは?
食物繊維の効果•効能について見ていく前に、食物繊維の種類について先にご説明します。
『食物繊維』が豊富に含まれる穀物といえば、玄米、雑穀、大麦というイメージがありますよね。
実は、一言で穀物といっても大麦、ライ麦、小麦粉、アマランサス、タカキビ、玄米、ヒエ、アワ、キビ、はと麦、白米など、たくさんの種類があります。
そして、食物繊維は、水に溶ける性質を持つ水溶性食物繊維と、水に溶けない脂溶性食物繊維の2種類に分けることができます。
これらは、それぞれに特徴的な働きや効果・効能があります。
水溶性食物繊維の主な働き
↪︎胃や腸の中で一緒に食べたものと混ざり合い、消化吸収をゆっくりにすることで、血糖値の上昇を緩やかにし、余分なエネルギーを脂肪として蓄えることを抑える。
○脂質の吸収を抑える
↪︎食物繊維は人体に吸収されない繊維だが、この食物繊維が脂質に絡み合い、体内に吸収される割合を減らすことで、ダイエット効果が期待できる。
○腸内細菌の餌になり、腸内環境を整える
↪︎腸壁が弱酸性に働き、ミネラルの吸収が良くなるとともに、生み出された酸の刺激で腸の動きがよくなり、便秘解消効果、腸壁のバリア機能が高まり、免疫力アップが期待できる。
○過食を防ぐ
↪︎大麦のβ-グルカンや果物類に含まれるペクチンのような粘性のある水溶性食物繊維には、食欲を抑え、次の食事での食べ過ぎを抑える作用がある。
このように、糖尿病をはじめとする生活習慣病や肥満を防ぐ作用は、水溶性食物繊維の働きによるところが大きいことが分かります。
では、不溶性食物繊維はどうでしょうか?
不溶性食物繊維の主な働き
↪︎不溶性食物繊維の主な働きは、便のかさを増やし、腸の働きをよくするだけでなく、便の排出スピードを高め、有害物質を素早く体外へ出すこと
不溶性食物繊維の働きは、水溶性食物繊維と異なり、腸の働きをサポートすることに一点しています。
また、両方の食物繊維に共通する働きとしては、”噛み応えを高め、満腹感を得やすくなること”、”食事全体の消化吸収が穏やかになり、消化器系の負担を抑える効果”などがあります。
実は、野菜や果物、豆、イモ、ナッツ、きのこに多いのは不溶性食物繊維であり、水溶性食物繊維は少量しか含んでいません。
もし、便秘解消効果以外に、糖尿病予防やダイエット効果を期待したい場合は、水溶性食物繊維が多く含まれる穀物を効率よく摂る必要があります。
☑️食物繊維のバランスが良い穀物はどれ?
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維、どちらの食物繊維もバランスよく摂りたいと考えたとき、おすすめの穀物はズバリ”大麦”です。
実は、水溶性食物繊維を豊富に含まれている食材は限られているのです。
水溶性食物繊維が多く含まれている代表格は大麦なのですが、大麦は、粒の中までぎっしりと水溶性食物繊維のβ-グルカンが詰まっているので、精製しても食物繊維は多く残っています。
もう一つ、大麦の特徴としては、大麦のβ-グルカンは、デンプンを取り囲むように分布しているので、一定量のデンプンは消化されずに大腸まで届くと考えられていることです。
水溶性食物繊維やデンプンは、腸内細菌の格好の餌となり、酢酸、酪酸、プロピオン酸といった酸性物質、【短鎖脂肪酸】が作られます。
短鎖脂肪酸が作られると腸内は、弱酸性に働き、悪玉菌が生息しにくい環境に変わります。
また、短鎖脂肪酸は、腸の細胞のエネルギー源になっているため、腸のバリア機能を高め免疫力を上げるほか、インスリンを効率よく働かせて血糖値をコントロールする消化管ホルモン”GLP-1”の分泌を促すといわれています。
ちなみに、100gあたりに含まれる食物繊維の量は下記のようになります。
ライ麦(水溶性食物繊維:3.2g 不溶性食物繊維:10.1g)
オートミール(水溶性食物繊維:3.2g 不溶性食物繊維:6.2g)
小麦粉(水溶性食物繊維:1.2g 不溶性食物繊維:1.3g)
アマランサス(水溶性食物繊維:1.1g 不溶性食物繊維:6.3g)
タカキビ(水溶性食物繊維:0.7g 不溶性食物繊維:2.3g)
玄米(水溶性食物繊維:0.7g 不溶性食物繊維:2.3g)
ヒエ(水溶性食物繊維:0.4g 不溶性食物繊維:3.9g)
アワ(水溶性食物繊維:0.4g 不溶性食物繊維:3.0g)
キビ(水溶性食物繊維:0.1g 不溶性食物繊維:1.6g)
はと麦(水溶性食物繊維:0g 不溶性食物繊維:0.6g)
白米(水溶性食物繊維:ごく微量 不溶性食物繊維:0.5g)
上記をご覧いただくと、大麦に含まれる水溶性食物繊維の量がいかに多いかお分かりになるかと思います。
日本人は、元来農耕民族としての歴史があり、穀物は生活をする上で欠かせないものとなっていました。
しかし、近年は健康ブームやダイエットブームの影響を受け、炭水化物や糖質を制限するダイエットが流行し、それに伴い食物繊維を豊富に含む穀物を避ける人が増える傾向にあります。
ひと昔前は、食物繊維は『役に立たない食べ物のカス』という認識がありましたが、今日はその機能性の高さから【第6の栄養素】と呼ばれるほどになりました。
今日、この記事をご覧になって、『そういえば、最近あまり食物繊維をとっていないかも』と心当たりがある方は、一度食生活を振り返り、食物繊維を積極的にとってみてはいかがでしょうか?
今回は、【ダイエットや糖尿病予防に最適?〜食物繊維の効果・効能〜】をテーマにお話させていただきました。

桑原 和也

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