22Oct

前回は、低脂肪ダイエットのやり方と効果は?【低糖質ダイエットとどちらが良いのか】をテーマにお話させていただきました。
世の中には、色々なダイエット方法がありますが、それぞれにメリット・デメリットが必ずありますので、自分に合った方法を慎重に選ぶことがダイエット成功の一番の近道ではないでしょうか。
さて、厚生労働省の発表によると、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間である『健康寿命』と『平均寿命』との差は、約10年(男性9年、女性12年)と報告があります。
いくら年々、平均寿命が延びている長寿大国だからといって、病院のベッドで長く過ごすのではなく、最後まで自分の脚で動き回って人生の質を維持したいですよね。
最近では、若い世代の運動不足による生活習慣病や、メタボリックシンドロームなどが深刻な問題になっています。
それに伴い、ウォーキングやランニング、水泳、サイクリングなどが注目されています。
そこで、今回は
【ランニングの驚くべきダイエット・健康面への効果とは?】
をテーマにお話させていただきたいと思います。
☑ランニングの健康上の効果が明らかに?
ランニングが趣味という方は少なくありません。
実は、日本はランニング大国で、あの有名なホノルルマラソンでは約7割が日本人だと言われています。
ランニングに関しては、世界中で研究がされていて、様々な報告が上がっています。
今までランニングを習慣にされたことはありますか?
例えば、米アイオワ州立大学が2014年に発表した論文では、18歳~100歳までの5万5000人(1/4はランニングの習慣あり)を15年間追跡調査し、ランニングと寿命の関連性を調べたものでした。
その結果、
『ランニングをしている人は、全く走らない人に比べて、脳卒中、心疾患による死亡リスクが45%下がる。また、週10kmを走るだけでも死亡リスクが30%低下する』
『ランニングの恩恵は、体重や飲酒、喫煙などの生活習慣を考慮しても、定期的に走り続けているランナーほど大きい』
というものでした。
週に合計10kmというのは、難しそうに思えますが、週に数回ランニングする時間を確保することができればそれほどではありません。
例えば、週に1度であれば、1時間半もあれば10kmを走ることができますし、週に2~3回であれば、一回に30分だけのランニングでも十分効果を得ることができるということになります。
また、持久力に関する研究も行われており、
コロラド大学とハンボルト州立大学の研究チームは、トレッドミル(ランニングマシン)での酸素摂取量の測定実験で、『運動しない20歳とランニングを6年以上継続している69歳の持久力が同等である』という発表をしました。
最近、加齢による老化の影響が大きいのは、筋力低下よりもアキレス腱の柔軟性の低下(アキレス健が本来持っているバネとしての機能が衰えエネルギー効率が衰える)が原因である、ということもいわれており、ランニングを習慣化することにより、『バネとしての機能』を維持することで、歩行や走行時に効率よく身体を動かすことが可能になるということを示しています。
また、同等の理由で、『ウォーキングを習慣にしている人よりも、ランニングを習慣にしている人の方が代謝効率が7~10%優れている』という結果も報告されています。
ただ、ランニングは膝や足首などに負担が大きいため、もし変形性膝関節症や足関節の反復性捻挫などを患っている方は、ウォーキングや水泳などを取り入れることも良いでしょう。
これらをご覧いただくと、ランニングをすることにより、筋力や心肺機能の維持だけでなく、病気による死亡リスクを大幅に下げる効果、ストレス解消など多くの効果やメリットがあることが分かります。
実は、ランニングにはさらに驚きの効果があることが最近になって明らかになりつつあります。
Nicolas Alejandro Street Photography
☑ランニングがアンチエイジングに最適ってホント!?
最近、新たなランニングの効果が注目されています。
それは、”アンチエイジング効果”です。
特に、女性にとっては目からウロコの情報ではないかと思います。
『え?でも、ランニングしている人ってどちらかというと、老けている人の方が多いような気がするんですけど。。。』と思われる方もいらっしゃるはずです。
たしかに、私自身もそう思っていました。
ランニングが老けると思っていた理由は、主に2つあります。
〇ランニングや有酸素運動なので、活性酸素を増やしてしまう。
〇外で走ると紫外線を浴びてしまう可能性が高い
と考えていました。
たしかに、活性酸素の問題はあるにはあるのですが、それ以上にアンチエイジングの効果が大きいことが最近裏付けられてきています。
実は、細胞の炎症を抑えるタンパク質PGC-1αというものがありますが、これは有酸素運動で活性化する働きを持っています。
PGC-1αは筋細胞への攻撃を防ぐ役割も果たすため、これまで加齢による筋肉量の減少予防にランニングだけでは負荷が足りないという意見も多かったのですが、筋力を低下させる要素を抑えることで、結果的に筋力が低下することを予防することが可能であるという見方が広まりつつあります。
実は、糖尿病や動脈硬化、ガンなど聞きなれた病気の大半が不活動(運動不足)に伴う細胞の炎症であるという仮説が科学誌『ネイチャー』に掲載され、その仮説を裏付けるエビデンス(根拠)が明らかになってきています。
これからは、『ランニングすると老ける』というネガティブなイメージから、『ランニングすると万病を予防するタンパク質が活性化され、いつまでも元気でいれる』というポジティブなイメージに変わっていくでしょう。
☑ランニングはやり方次第で効率よくダイエットすることが可能?
実は、ランニング自体のカロリー消費はそれほど多いわけではありません。
しかし、効率よくランニングをすると一ヶ月で2~3kg程度なら簡単に痩せることが可能です。
ただし、やみくもに走ってもダイエット効果が低いので、効果的なランニングを心がけなければいけません。
そこで、最後にランニングのダイエット効果を上げる方法をいくつかご紹介したいと思います。
〇ランニングのペースはゆっくり目で
↳実は、ランニングのペースにも痩せやすいペースと痩せにくいペースがあります。というのも、脂肪が燃えるときには多くの酸素が必要だからです。
つまり、しっかりと酸素を取り入れることができるぐらいのペースが理想的です。目安は、人と無理なく会話のできるぐらいのペース(最大心拍数の60%程度、120~140拍/分)を目安にしましょう。
もし、ペースを上げてしまうと脂肪と同時に筋肉も分解されてしまうので注意しましょう。
〇朝食前に走ると脂肪が燃えやすい
↳ランニングするときに、一番効果のある時間帯があるのをご存じですか?以前テレビ番組でも紹介されていましたが、『ランニングするのは朝食前が最も効果的』です。
では、どれぐらいの差があるのかというと、同じ運動強度で60分ランニングした場合、朝食前では50%まで脂肪利用の割合が増えたのに対し、夕食後では40%に留まることが判明しています。
この理由ですが、夕食後から睡眠を挟むことにより絶食時間が長いため、インスリンが低い状態になっています。
インスリンが低い状態だと体内では活動した際に、脂質の利用が促進されるためです。
〇ランニングの時間を生活の中にできるだけ多く作る
↳ランニングでダイエットに成功する人の共通点として、『平日1日以上ランニングしているか』ということが挙げられます。
実は、ランニングをより多く取り入れようとすることで、今まで不規則だった生活習慣が改善され、その結果規則正しい生活になり、食生活にも気を配るようになるためと言われています。
というのも、ランニングによるカロリー消費というのはそれほど多くなく、42.195kmのフルマラソンを完走したとしても、総消費カロリーは2500kcal程度です。(脂肪0.3kgほどの減少)
会社が休みの土日だけランニングするという方は、平日はどうしても生活が乱れてしまうことが多いので、できれば平日も含めて一週間で3日以上はランニングする時間を作るようにしましょう。
〇ランニングの前に少しだけ足の筋トレをする
↳これは、ランニング時の脂肪燃焼を促すコツです。
筋トレをすると成長ホルモンが多量に分泌されるのですが、成長ホルモンには脂肪分解を促す効果があります。
そのため、いきなり有酸素運動であるランニングをするよりも、無酸素運動である筋トレをしてからの方がよりダイエット効果が増すのです。
ちなみに、ランニングの前に自重筋トレ(自分の体重だけを使う筋トレ)として、スクワットをすることがおススメです。
ゆっくり、腰を下ろす丁寧なスクワットを10回×3~5セットしてから、ランニングすることで効率よく脂肪を燃やすことができますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
いかがだったでしょうか?
ランニングがいかに健康に良いか、そしてダイエットに効果的かということがお分かりになったと思いますので、これを機にぜひランニングを習慣にしてみてくださいね。
今回は、【ランニングの驚くべきダイエット・健康面への効果とは?】をテーマにお話させていただきました。

桑原 和也

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