23Sep
健康ブームに後押しされ、特定保健用食品(トクホ)と呼ばれる商品が各食品メーカーから発売され、中~高齢者を中心に大きなブームになりつつあります。
『特保(トクホ)』という言葉も浸透し始め、特保(トクホ)に指定されているお茶や飲料水などの食品であれば『なんだか体に良さそう』、『トクホを飲んで(食べて)いれば、痩せそう』と良いイメージを持っている方も非常に多いでしょう。
しかし、実際、”どれぐらいの効果があるのか?”や”特定保健用食品が何なのか?”などについて詳しく知らない方もいますので、今回はそんな方のために、『特保(トクホ)とは何なのか?』、『どんな種類があるのか?』、『本当に健康に良いのか?』、『効果があるのか?』などについてお話していきたいと思います。
☑特定保健用食品=特保(トクホ)とは?
上記のマークを一度くらいは目にしたことはあるでしょうか?
上記のマークが付いている食品のことを、特定保健用食品=特保(トクホ)と言います。
特保(トクホ)が通常の健康食品と異なる点は、各メーカーの各商品に消費者庁長官の許可を受けていることです。
通常、健康食品というのは、栄養機能食品にあたり、栄養機能食品は『一般に受け入れられている食品成分を、規定の範囲内で含有している規格基準型の食品』であるため、保健上の効果(許可表示内容)を表示することは絶対にできません。
しかし、消費者庁長官の許可を受けた商品は、栄養機能食品ではなく特定保健用食品になるため、保健上の効果(脂肪の吸収を抑える、血糖値の上昇を緩やかにするetc)を表示することができます。
つまり、生理学的に人体に様々な影響を与えることができると科学的根拠がある成分を含んでいるということになります。(科学的根拠を政府に証明しないと、審査が下りません。)
ただし、あくまで特定保健用食品は健康が気になる方を対象にしている食品ですので、医薬品として、また病気の治療薬としては使用できません(そこまでの効果が無い)ため、病気をお持ちで特定保健用食品を摂取したいという方はまず、主治医に相談しましょう。
☑保健機能成分(関与成分)の種類と表示内容は?
特保(トクホ)に認定されている保健機能成分(関与成分)は、様々な種類があり、同じ特保(トクホ)のマークが付いていても、効果・効能が全く違います。
現在、特保(トクホ)に認定されている保健機能成分(関与成分)は下記の通り▼
表示内容 | 保健機能成分(関与成分) |
---|---|
お腹の調子を整える食品 | イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、ポリデキストロース、キシロオリゴ糖、グアーガム分解物、サイリウム種皮、ビール酵母由来の食物繊維、フラクトオリゴ糖、ポリデキストロース、ラクチュロース、寒天由来の食物繊維、小麦ふすま、大豆オリゴ糖、低分子化アルギン酸ナトリウム、難消化性デキストリン、乳果オリゴ糖、ビフィズス菌、乳酸菌等 |
血圧が高めの方に適する食品 | カゼインドデカペプチド、かつお節オリゴペプチド、サーデンペプチド、ラクトトリペプチド、杜仲葉配糖体 |
コレステロールが高めの方に適する食品 | キトサン、サイリウム種皮由来の食物繊維、リン脂質結合大豆ペプチド、植物スタノールエステル、植物ステロール、低分子化アルギン酸ナトリウム、大豆たんぱく質 |
血糖値が気になる方に適する食品 | L-アラビノース、グァバ葉ポリフェノール、難消化性デキストリン、小麦アルブミン、豆鼓エキス |
ミネラルの吸収を助ける食品 | CCM(クエン酸リンゴ酸カルシウム)、CPP(カゼインホスホペプチド)、フラクトオリゴ糖、ヘム鉄 |
食後の血中の中性脂肪を抑える食品 | ジアシルグリセロール、グロビン蛋白分解物 |
虫歯の原因になりにくい食品 | マルチトール、パラチノース、茶ポリフェノール、還元パラチノース、エリスリトール |
歯の健康維持に役立つ食品 | カゼインホスホペプチド-非結晶リン酸カルシウム複合体、キシリトール、マルチトール、リン酸一水素カルシウム、フクロノリ抽出物(フノラン)、還元パラチノース、第二リン酸カルシウム |
体脂肪がつきにくい食品 | ジアシルグリセロール、ジアシルグリセロール植物性ステロール(β-シトステロール) |
骨の健康が気になる方に適する食品 | 大豆イソフラボン、乳塩基性タンパク質 |
※こちらに表示してあるものと同じ保健機能成分(関与成分)を含んでいる食品でも、配合の割合や他の成分との相互作用などの関係もあるため、トクホと全く同じ働きをするわけではありません。
引用:食品衛生の窓より
上記では、よく耳にする保健機能成分から全く知らない成分もあり、目的により様々な保健機能成分があることが分かります。
☑特保(トクホ)は効果・効能があるのか?
ここまで聞くと、『やっぱり効果・効能がありそう!』と思われるでしょう。
では、果たして特保(トクホ)は、効果・効能があるのでしょうか?
基本的に、特保(トクホ)に認定されている保健機能成分は、薬に比べ効果が弱いとされます。
なぜなら、
①第1類医薬品
⇩
②指定第2類医薬品
⇩
③第2類医薬品
⇩
④第3類医薬品
⇩
⑤一般用医薬品
⇩
⑥特定保健用食品
というように、効果の強さから言えば一般用医薬品の次なので、そもそも薬のような効果を期待してはいけないからです。
効果が弱いということに加え、同じ保健機能成分が含まれている類似商品だとしても商品によって保健機能成分の含有量が異なるため、効果に差が出てしまいます。
また、摂取の仕方やタイミングにより効果が変わってしまうものもあり、しっかりと自己管理をしながら保健機能成分を理解した上で摂取しないといけません。
それでも、薬のような強力な効果ではなく、弱く緩やかな効果なので、『特保(トクホ)を摂っているから健康だ!』、『特保(トクホ)の飲料水を毎日飲んでいるから、どんなに食べても平気!』というのは間違いだと言えます。
また、保健機能成分には1日の摂取上限が定められているものがほとんどで、摂取のしすぎは危険です。
さらに、特保(トクホ)商品の中には、危険と言われている『アスパルテーム』や『アセスルファムカリウム』などが含まれているものも多数あり、『かえって健康を害するのでは?』と疑問を持たざるを得ないことも多いのが現状です。
しかし、健康上全く害が無いと言われているものもあります。
例えば、難消化性デキストリンは、『血糖値が気になる方に適する食品』とされています。
難消化性デキストリンは、とうもろこしから作られた食物繊維の一種で『消化しにくい食物繊維』で、ミネラルの吸収を阻害しないことから様々な健康食品に含まれています。
難消化性デキストリンの効果・効能は、『食後血糖値の上昇抑制作用』や『整腸作用』が主です。
食後の血糖値の急激な上昇を抑制することで、すい臓のランゲルハンス島β細胞からのインスリン分泌を抑制し、余ったエネルギーを中性脂肪(トリグリセリド)に変換し、内臓脂肪に蓄えるのを抑える効果が期待できます。
この、難消化性デキストリンは、アメリカのFDAでさえ『1日の摂取量の上限を明確に定める必要がないほど安全な食品素材である』と認めています。
つまり、特保(トクホ)だから効果を期待できる、健康に良いとは言えず、
①特保(トクホ)であってもその他に体に有害だとされる成分(人工甘味料など)が入っていないこと
②その保健機能成分は健康上有害な側面はないか?
③自分の食生活やライフスタイル、自己管理なども考慮して効果は期待できるか?
ということを加味した上で、特保(トクホ)を購入するべきだと考えます。
☑特保(トクホ)のコストパフォーマンスは良いのか?
私は、日常的にプロテインや栄養補助食品を購入しており、継続的に続けるためにはコストパフォーマンスが非常に重要だと考えています。
減量をする時期には、難消化性デキストリンなどが含まれる健康食品を購入しています。
以前、購入していたメーカーの難消化性デキストリンが含まれている特保(トクホ)は、難消化性デキストリンの含有量が1袋あたり5gでした。
しかし、別のメーカーが発売している類似商品では、難消化性デキストリンの含有量が1袋あたり4.7gであるにも関わらず、上記の商品の価格の2.5倍以上もしていました。(しかも、インパクトのある商品名だからか結構売れている。汗)
これは、ほんの一例で、特保(トクホ)をはじめ、健康食品市場は中~高齢の消費者が非常に多く、メーカーからすればドル箱のような感覚なのかもしれません。
特に、烏龍茶を濃くしただけのようなお茶は、非常にコストパフォーマンスが悪いので、注意が必要です。
特保(トクホ)の商品を購入する場合は、含有されている保健機能成分をしっかりと確認し、他メーカーの類似商品と比較しながら、コストパフォーマンスを見ていく必要があると言えます。
桑原 和也
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