21Jun
アメリカの食品医薬品局(FDA)が16日、マーガリンなどに含まれる「トランス脂肪酸」の発生源となる油の食品への使用を、2018年以降原則禁止すると発表したことがメディアで報道されました。
実は、突然アメリカがトランス脂肪酸に対して規制をかけたわけではなく、以前からアメリカをはじめとする世界各国の専門家がトランス脂肪酸の危険性について指摘していました。
トランス脂肪酸とは何か?
➡まず、トランス脂肪酸とはどのようなものかについてお話します。
トランス脂肪酸とは、不飽和脂肪酸のシス型結合がトランス型結合に変化して直線状構造となったものです。
通常、天然不飽和脂肪酸は、そのほとんどがシス型で存在します。
シス型であれば、問題視されることはないのですが、トランス型になることにより人体に悪影響を与えることになります。
脂質に含まれる脂肪酸は、二重結合の有無によって飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分けられます。
トランス脂肪酸は、不飽和脂肪酸から飽和脂肪酸を製造する過程で生じます。
なぜ、不飽和脂肪酸から飽和脂肪酸を製造するのか?
それは、飽和脂肪酸の商品価値が不飽和脂肪酸よりも高いからです。
トランス脂肪酸が含まれる食品は?
➡反すう動物(牛や羊など)の肉や乳製品に微量に含まれています。
また、マーガリンやファットスプレッド、ショートニングなどの加工油脂、精製植物油に含まれるほか、これらを原料にしたパンやケーキ、クッキーやドーナツなどの洋菓子類、スナック菓子、生クリームなどにも含まれています。
今回、アメリカの食品医薬品局(FDA)が規制対象としているのは、液体の植物油に水素を加えて固体化する過程で人工的に作られるものです。
食品安全委員会の調査によると、日本国内に流通する食品で100g当たりのトランス脂肪酸の含有量が最も多いものは、ショートニング(13.6g)、次いでマーガリンおよびファットスプレッドの(7.0g)です。
トランス脂肪酸は健康面に悪影響を与える?
➡トランス脂肪酸は、悪玉コレステロールであるLDLコレステロールを増やし善玉コレステロールであるHDLコレステロールを減少させます。
その結果、メタボリックシンドロームや糖尿病リスクの上昇、心血管系疾患の一つである、冠動脈疾患のリスクの上昇、アレルギー疾患の発症などが指摘されています。
日本でもトランス脂肪酸を規制する必要はあるのか?
➡ショートニングやマーガリン、ファットスプレッドは、パンを主食とする国において使用頻度が高く、過剰摂取が考えられますが、日本人の主食は米であり、諸外国に比べショートニングやマーガリン、ファットスプレッドの使用が多すぎるということはないようです。
食品安全委員会が推計した日本人一人当たりのトランス脂肪酸摂取量は、約0.3~0.7g。
問題の米国では5.8g、EU14か国の男性1.2~6.7g、女性1.7~4.1gと比較すると、日本人のトランス脂肪酸の摂取量が少ないことが分かります。
ちなみに、国連世界保健機関(WHO)と国連食糧農業機関(FAO)の合同専門家会議が示した目標値【摂取エネルギー換算で1%未満】を日本は下回っています。
このことから、トランス脂肪酸が体に悪影響を及ぼすと注意喚起されていても、摂取を控えるという行動に出る方が少なく、また少量のトランス脂肪酸と健康面への影響は、まだ解明されていないため、日本国内では規制されていません。
人工甘味料が市場から消える気配がないことからも、日本政府は食の安全に対する意識が低く、対策も遅延しがちです。
なので、『お店で売っているから大丈夫だろう』という考えは捨てるべきです。
一箱でトランス脂肪酸が(総エネルギー摂取量の)1%を超えるお菓子もあり、普段からお菓子を良く食べたり、偏食している方は注意する必要があります。
私は、マーガリンの代わりにバターを使用し、またお菓子などは出来る限り食べないよう心がけています。
皆さんも【自分の健康は自分で守る】という意識で取り組んでいきましょう!
桑原 和也
最新記事 by 桑原 和也 (全て見る)
- 【口コミあり】アトピーにも効く!?「善玉元気」は本当に頑固な便秘を改善できるのか? - 2018年6月19日
- 【最新版】ダイエット中にオススメ!人気の置き換え食品5選を大公開! - 2018年6月16日
- 塩分を管理してスリムに!塩抜きダイエットの方法と効果は?危険は? - 2018年6月11日
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。